とよたデカスプロジェクト準備編
Artistの
紫乃~murasakino~と申します。
SHI-NO と呼んでくださいね。
山の中に自分で建てた小さな家に暮らしながら
主にアクリル絵の具を使い絵を描いたり
写真を撮ったり花を活けたりすることで
本当の自分を表現し
人を癒したり勇気づけたりすることを
ライフワークにしています。
詳しいプロフィールはこちらから
去る2021年10月
豊田市美術館ギャラリーにて
とよたデカスプロジェクト入選プロジェクト
『森とつながる。アートでつながる』
~あなたも わたしも アーティスト~
を新聞記者であり書道愛好家の容子さんと
開催させていただきました。
開催に至るまでの過程や準備について
綴りたいと思います。
実際に展示をご覧になられた方、行けなかった
けど気になっていたよという方、今後デカス
プロジェクトに参加してみたい方などの参考に
なれば幸いです。
とにかく決める
プロジェクトのちょうど一年前、私は豊田市
民芸の森という施設で古民家と屋外の森を
利用して個展を開催しました。
民芸の森での様子はこちら
しかし、次の年の展示予定が何も決まっていな
かった私は実力はさておき、豊田市美術館
ギャラリーで展示をしようと思い立ちました。
というのも八ヶ岳で知り合った水彩画家さんに
とにかくたくさん描きなさい、そして
大きな会場で展示するといいよとアドバイスを
頂いたからでした。
とりあえず展示場所を確保し実力が足りない分は
開催までの1年でなんとかしようと
思ったのです。
恐怖を感じる前に行動
私の性格では作品数がそろったら・・・
美術館で展示する実力がついたら・・・と考え
ていたらいつまでも挑戦しないことは目に見え
ていましたし、色々考えだしたら恐怖で足が
すくんで動けなくなると思い、何も考えず
とにかく申し込みました。
公共施設での展示経験というものが美術館
ギャラリーでの展示審査の後押しになったの
かもしれませんがおかげさまで許可がおりま
した。
とよたデカスプロジェクトに誘われる
場所は確保したものの、どんな展示にしようか
全くアイディアが浮かびません。まだまだ一年
あるから大丈夫・・・と思っていましたが
大きな公募展に初チャレンジしたりグループ展
や個展をやってバタバタしてるうちにあっと
いう間に半年が過ぎてしまいました。
『とよたデカスプロジェクトに応募してみない?』
さすがの私もかなり焦りだしました。
そんな5月のある日、豊田市民芸の森で取材を
してくださった女性新聞記者から
「デカスプロジェクトというのがあるから一緒
に応募してみない?」とメッセージが届きま
した。
彼女は民芸の森での取材でかなり長めの私の
話をじっくり聞いて、作品と私の生き方に大変
共感してくださり、その後も応援してくれて
いました。
「とにかく会って話しませんか?」とのことで
早速豊田市民芸館で待ち合わせをしました。
駐車場でばったり出会うと彼女のワンボックス
の中は古い建具が満載。
「これどうするのですか?」と聞くと
「うん、決めてないの。捨てられてしまうから
貰ってきたの。誰かにあげてもいいし
自分で何かに使ってもいいし、
紫乃ちゃんいる??」
「う、うん・・・私は大丈夫です」
それから、美しい民芸作品に囲まれた展示室に
移動し、デカスプロジェクトの趣旨や
紫乃の絵をデザインした洋服が街中に溢れたら
いいのに・・・という彼女の妄想を伺いました。
『とよたデカスプロジェクト』は豊田市の魅力
を発信したり、問題を解決するプロジェクトで
なければなりません。
私の絵が洋服になったら素敵だけど、豊田市
とは何の関係もないし・・・
しかも、プロジェクトを実行する期間が
決まっていて、豊田市美術館ギャラリーでの
個展を控えていた私は、2つのプロジェクト
を掛け持ちすることは難しい・・・
ムムム・・・
「そうだ!個展用に抑えてある美術館での展示
をデカスプロジェクトにあて、市の面積の
約7割を占めている森をテーマにしたら森で
暮らし作品と自然との一体化を目指してる私の
作風とも合うんじゃない?」
「うん、それいいねえ」
そうなると、どんどんイメージが膨らみお互い
の妄想を披露しあいました。
散々盛り上がった最後に私が言いました。
「容子さんも作品を創ってみませんか?
『あなたも わたしも アーティスト』が私の
コンセプトです。だったらそれを証明する意味
でも挑戦してみたらどうかしら?」
幼い頃から書道を続け書道展への出品経験は
あるものの、アート作品を作った経験はなかっ
たそうですが
「え!いいの!?自分からはとても言えなかっ
たけどやってみたい。紫乃ちゃんの作品を邪魔
するようだったら言ってね!!」
そうしてデカスプロジェクトに二人で応募する
事が決定したのでした。
とよたデカスプロジェクト応募~審査
それからが大変でした。
「とよたデカスプロジェクト」の募集期間は
2021.4.6~5.29に対して第一回の私達の
打合せは5月20日。それから8日間で企画名
企画概要、企画詳細、スケジュール、予算など
を記入した応募用紙を提出しなければならない
のでした。
一次審査通過
打合せの翌日から何度もラインでやり取り
しながら内容を詰めていきます。
今まで漠然として自身の個展のコンセプトもま
とめられないでいたのが
「森」「アート」「循環」「人の可能性」など
を軸に組み立てだしたら、どんどんアイディア
が浮かんできました。
締め切りが目前だった事もおしりに火が付き
ました。
そして、5月29日22:00頃締め切りギリギリ
に応募用紙を送信完了させました。
後で伺ったところ今年の応募者は多かったそう
で主催の豊田市文化振興財団さんは喜んで
いらしたそうですが、応募する身となれば
ライバルが多いのはつらい…
しかし、なんとか書類審査を通過し、審査員の
前でのプレゼン審査会に進めることになり
ました。
二次審査へ
二次審査は審査員の前でのプレゼンテーション。
しかし、今回はコロナ禍ということでZOOMで
行うことになりました。
プレゼンは苦手なうえに、ZOOMもそれまでに
お遊びで2回経験したのみです。
でも、何とか自分たちのやりたいことを伝え
なければなりません。ですので、最初は
プレゼンする内容を頭に入れて熱意で訴えよう
と思っていました。
すると発表の2,3日前にZOOMの練習会があり
そこで「画面共有」という機能があることを
知りました。
言葉のみで伝えるよりも写真などの資料を
見せながら発表する方が断然説得力があるの
を実感し、そこから慌ててパワーポイントを
使って一日で資料を作り、原稿を考え
当日の朝、発表の練習をしました。
お仕事でこういうことに慣れていらっしゃる
方には何でもないでしょうが、不慣れな上に
時間がない。画面を操作しながらプレゼンを
し、制限時間の5分に収められるのか??
自分の番が回ってくるまで、落ち着かない
気分で何度も飲み物を口にしたり、トイレに
行ったりうろうろしてました。
いよいよ発表の順番が回ってきました。何故か
最初画面共有がすんなりできませんでしたが
それを覗けば何とか精一杯プレゼンをすること
ができました。
発表を終えると審査員の第一声が
「お話を伺っただけで癒されました」
だったのです。ほっと一安心。その後いくつか
質問をされ答えたのですが、後から思えば
あんな事が言いたかったんじゃない。と自分の
不甲斐なさに頭をかかえました。まだまだ
自分の中で何をしようとしてるのか掴みきれて
いなかったのです。
プレゼンの内容が気になる方はこちら
とよたデカスプロジェクトに入選
プレゼンの翌日、豊田市文化振興財団より入選
を知らせるメールが届きました。
よかった!
目の前に高くそびえる壁を一つ乗り越え
ほっとした気持ちですぐに相棒の容子さんにも
知らせ、喜びを共有しました。
しかし、喜びも束の間プレゼンで言い切った事
を実現できるような展示を考えなければなりま
せん。プロジェクトを通過するためプレゼンは
必死に準備しましたが、ではその思いを実現化
するためにはどうしたらいいのか具体的な内容
まで考えている余裕がなかったのです。
とよたデカスプロジェクトに向けて準備が始まる
容子さんはプロジェクトを通過する前から作品
を作り始めていました。
彼女はフットワークが軽く、思い立ったら即
行動に移すタイプです。
夜中でも作品のアイディアが浮かぶとむくっと
起きて作業をしたりしていました。
構想をまとめるまでちょっと待ってください
私は彼女のスピード感を尊敬すると同時に
どんどん進んで行く様子を心配していました。
今回の展示は「一つの会場を一緒に借りて二人
で展示しましょう」という一般的な二人展とは
違い、会場全体で一つのテーマ性を持たせ
観に来て下さった方が自身の可能性に気が付き
その方たちの人生が変化していくものにしたい
と考えていました。そうして一人一人が自立し
ていくことが豊田市の魅力アップに繋がるの
ではと思い描いていました。
もちろん彼女も今回の展示のテーマである
「森から始まる水の循環」を頭に置いて制作
してくれていました。
しかし、全体の構想がまとまる前にてんで
バラバラにスタートしておいて、完成した作品
に対し「これは合わない」とは言えないので、
アイディアを考えるのはいいのですが、
完成させるのはちょっと待って下さいねと
お願いしました。
体感できる展示に
『森とつながる。アートでつながる』
~あなたも わたしも アーティスト~
どうやって来てくださった方が森を感じ、水の
循環を感じ、アートを通じて自分の中に隠れて
いる可能性を見つけてもらうのか?
プレゼンで大きな理想を語るのは簡単ですが
実際にそうなるような展示をするのは
一体どうしたらいいんだろう・・・
容子さんにもらった猶予は一週間。
早く全体像を考えなくては・・・
仲間が増える
自身のインスタグラムではとよたデカス
プロジェクトに向けて挑戦していることを
載せていたので、入選の知らせも報告
しました。
一緒に関わってみたいという方現る
すると興味を持って見てくれていた友人達が
何か手伝えることがあったら手伝いたいと申し
出てくれました。
その時、私は「お手伝い」という形ではなく
何か主体的にかかわってもらえたら・・・と
いう想いがありました。
そして一人の友人にはワークショップの講師と
展示の際のディレクションを
「チラシ配り手伝うよ」と言ってくれた
友人には、水の循環というテーマが伝わる
ような詩を書いて欲しいと頼みました。
ワークショップの講師を頼んだ友人は普段は
OLで私のワークショップを一度受けただけ
の経験です。
詩を頼んだ友人は、詩を小学校の宿題で
しか書いたことがなく、自分の想いを文章に
することに対して苦手意識も持っていました。
あまりの無茶ぶりにさすがに断られるだろうと
思ったのですが、なんと二人共戸惑いながらも
快く引き受けてくれました。
それぞれが持っている課題を解決するための
ひとつのチャレンジと捉えているようでした。
衣裳を作って下る方現る
また、容子さんの最初の妄想である紫乃の絵が
洋服になり街中でみんなが着ていたら
いいのに・・・
の方は私の原画を布に印刷するところまでは
進んでいたのですが、ワンピースにする段階で
ストップしていました。
あちこち声を掛けて縫って下さる方を探して
いたのですが、たまたま友人が出店した三越
での期間限定ショップに遊びに行った際に一緒
に出店されていた志月さんという
元パターンナーで着物のリメイクの作家さんに
出会いそれまでイメージしていたシンプルな
ノースリーブワンピースではなく、なるべく
型紙で切ったりせず生地の状態や絵柄を活かし
た衣装を作って頂けることになりました。
また、元アパレル関係の仕事をされていた方
に布への印刷の色味などの事で相談した際に、
MACHIKO JAPANさんというデザイナーさん
を紹介いただきこちらは容子さん用に素敵な
デザインの衣装を仕上げていただきました。
ワークショップ講師候補2人目決まる
以前の個展の際も私はワークショップを開催
していました。
その際に参加してくれた中学生の女の子がいた
のですが、彼女は絵を描くことに苦手意識を
持っていました。また、自己肯定感の
低さも抱えていました。
でも、ワークショップに参加して
「自分で作った美術作品で初めていいのが
できた!」と嬉々として作品の写真を自身の
ラインのアイコンに設定している様子を見て
その子のお母さんから「この子はもう大丈夫と
思えました。親には出来ない事をしてくださり
ありがとうございました」と後日メッセージを
いただきました。
そして、ひょんな流れから彼女にもワーク
ショップの講師を依頼することになったの
です。すると、彼女もこどもさん相手なら、と
快諾してくれたのです。
アート×リトリートinとよたとのコラボ
とよたデカスプロジェクトには14組の
プロジェクトが採択されていました。そして
入選の方々との交流会がリアル開催されま
した。
その際、アート×リトリートinとよた
という市内のアートを感じられる場所で
マインドフルネス活動を通じて心と体を解放
する場を提供する企画を考えられた後藤さんと
知り合いました。
当日は時間がなかったので後日交流させていた
だいたところ、すぐ意気投合し何かの形で
お互い関わりたいねということになりました。
そして、彼女には私達のワークショップの前に
参加者の方を森へと誘って頂けるよう誘導瞑想
をお願いし、私は彼女の企画の際にアートを
提供しました。
受付や香りの助っ人も
また、受付業務を手伝ってくださる方が名乗り
出てくれたり、視覚だけでなく五感で森を
感じていただきたいとのアイディアが浮かび、
アロマの森さんがオリジナルブレンドの精油を
提供して下さいました。
こうして、一年前たった一人で豊田市美術館
ギャラリーで展示をしたい!という無謀にも
思えた挑戦に一人、また一人と協力して下さる
方が増えていったのでした。
葛藤の中で
さてさて、たくさんの方が協力を申し出て
下さいましたが、展示の構成を考えなければ
いけません。
まずは来てくださった方に非日常を感じて
もらいたい。
ただ絵が並べてあるのを眺めるというのでは
なくて、美術館の中に現れた森の中に入り込ん
でもらって、森に降った雨が湧き水となり
小川となり滝になり海へと注ぐ循環のする
様子を身近に感じ疑似体験してもらいたい。
そうして自分と水のしずくと境界線が
消えていく・・・
水を循環しながら心の中を循環して、
かくれんぼしている本当の自分に出会って
もらいたい。
そして何か実際に試してみたくなり、
ワークショップでエコバッグに自由に絵を描い
てみる。
こんなことをグルグル思いながら、会場の
レイアウトを構成し、詩を添えてみると。
ん!
これなんかうまくいきそう!
根拠のない自信が湧いてきました。
これは凄いことになるかもしれない。
いらした方の心の変化が起き会場を出た後も
余韻が残るようなイメージが浮かびました。
二人でやることの難しさ
早速構成を簡単に会場の図面上に表し、
容子さんに届けました。
彼女は古い建具と和紙と書を組み合わせた作品
を考えていました。
しかし、森という自然の中に突如木製である
とはいえ、人工物である建具をどのように
場に溶け込ませたらいいのかが難問でした。
これには頭を悩ませいろいろアイディアを考え
結局建具を置くことの必然性を作り、空間を
区切り人を誘導する役目をもたせました。
そして、建具を置くことで区切られた細い空間
が森の中の川の源流にあたるエリアとしま
した。
逆に裏側は川を下り、人の生活に近い
エリアになります。とイメージを伝えました。
後は彼女の素晴らしい創造性に委ね作品作りを
再開してもらいました。
自分との闘い
そして、数日後彼女から作品の画像が送られて
きました。幼い頃から習ってきた書道を活かし
勢いのある四字熟語が建具の大きさいっぱいに
はみ出んばかりに表現されていました。
その作品自体は彼女らしい素晴らしい物でし
たが、私が伝えた川の源流の生まれたばかりの
ちょろちょろ流れるイメージというよりは
岩に打たれながら勢いよく流れるような
印象のものでした。
私は人との摩擦を避けてこれまで過ごしていた
ところがありましたが、このプロジェクトが
決まった際に容子さんにはぶつかり合うことに
なってもお互い思っていることは伝えあいま
しょうねと宣言していました。
そして、言葉を選びながらも自分の感じた事
いや、感じたことは正直伝えられなかったかも
しれないけれど、もっとこうした表現も見て
みたいのですが・・・
とやんわりと伝えました。
最初は彼女も私もそういう作品も考えていた
と前向きに受け入れてくれていましたが、
何度目かの時にとうとう長文のメール
をいただきました。
私にとっては一つの世界を作るにあたっての
調整だったのですが、彼女にとっては一人の
アーティストとしての尊厳を踏みにじられた
ように受け取られたのかもしれません。
私が嫌っていた人を型に押し込むような事を
実は自分がやっていたのかもしれません。
どうすればわかってもらえるのか散々悩みま
した。もっとかみ砕いて説明すれば伝わるかも
しれないと、例をあげて説明しようかと
色々考えました。
今回は作家の個性を発表するというよりは
舞台のセットを作るような自分たちは裏方に
徹するイメージがあったのですが、そういう
部分が共有できていなかったことを反省しま
した。
そして、結論としては自分の我を通すことを
手放しました。自分が正しいと思っていた事は
ただの我に過ぎなかったのです。
何がともあれ、一番そばで一緒に取り組む仲間
が自分を自由に発揮できなくて楽しめていない
のならば、この展示はやる前から失敗です。
こうして、無理に一つに調和させることを
手放し個別の展示だと割り切りました。
何とか展示の見通しが立つ
そうこうしているうちに展示期間が間近に
迫ったある日、彼女から展示する作品を見て
欲しいと申し出がありました。
そして、この作品とこの作品でまとめたら
素敵だと思うと水墨画のような作品と
最初の四字熟語からアレンジさせた作品を
指差しました。
すると、彼女も安心したようでこれで
いい展示になりそうだと二人で喜び合い
ました。
搬入
いよいよ展示前日美術館へ搬入です。
作品数の多い私は9時半から会場入り、容子
さんは午後からの搬入でした。
親戚の力も借り展示作業
今回の搬入はとても一人ではやれない仕事量
です。
前回の民芸の森でも手伝ってくれた叔父と母に
加え、同い年のいとこにも要請したところ
快諾してくれ、有休を取って駆けつけてくれ
ました。
厳重なセキュリティの中、一旦すべての作品を
会場の中に運びこみます。
図面の中でイメージしていたものをその場で
会場に落とし込みます。
梱包を外した作品から大まかに展示したい壁に
順番に立てかけます。
天井がの高いので特製のゴンドラのような
可動式の足場に乗ってワイヤーをひっかけ
高さを決め作品を飾ります。
足場に私が乗ってはディレクション
出来ませんし、年老いた母や叔父が乗る訳にも
いかず、結局高所が苦手だといういとこが
登ってくれました。
しかし、長身の彼にはかえって天井がつかえて
しまい、気の毒な体勢での作業を強いてしまい
ました。
始めは慣れないワイヤーの調整、絵の高さ左右
のバランスをみて固定、次にスポットを取り付
けライトの位置を調整するという作業が
だんだん慣れてきて、4人の息も合って何とか
大まかな展示を容子さんが搬入する前に終える
事ができました。
美術館での展示って華やかだけど準備は地味
なんだねとつぶやいたいとこは、こんな経験
なかなかできないから次回も手伝いたいと申し
出てくれました。
いつまでも叔父や母に頼るわけにはいかないの
で、こうして手伝いたいと言ってくれる人がい
るのは本当にありがたいです。
容子さん搬入、設置完了
彼女は自身が所属している団体のお仲間4,5人
に手伝ってもらい作品を会場に運び入れてもら
いました。
最終的にどれを展示するか、現場合わせにした
ようで物凄い数の作品でした。
それらを先に展示を済ませた私の作品との
バランスを見ながら選択し、展示し終えると
個々の展示として割り切ろうと思っていたので
すがちゃんと一体化した世界が創りあげられ
二人で抱き合いました。
最後に照明の明るさを少し落とし、スポットの
光を強調するよう調整すると作品が浮かび
あがり、私が想像していた以上の世界が立ち
現れ涙がこぼれました。
ここに来るまで私が苦労していた様子を
まじかで見てきた午後から搬入を手伝って
くれた友人が
「よくがんばったね」とハグしてくれました。
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