絵の具の種類と特徴を解説:アクリル、水彩、油絵の具の違いって何?と聞かれ困った方必見!
Artistの
紫乃~murasakino~と申します。
SHI-NO と呼んでくださいね。
主にアクリル絵の具を使い
絵を描いたり
写真を撮ったり
花を活けたりすることで
本当の自分を表現し
人を癒したり勇気づけたりすることを
ライフワークにしています。
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最近はおうち時間を充実させるをため
気軽に絵を描くことを楽しまれる方も増えて
いらっしゃいますね。
しかし、何気なくご自身がいつも使っている
絵の具のことを聞かれうまく答えられなくて
困った経験はありませんか?
実は私もNHKの番組を見て突然アクリル
絵の具で絵を描きだし、今では
Artist 紫乃~murasakino~と
名乗るようになったものの
アクリル絵の具と
水彩絵の具ってどう違うの?
と聞かれ困った経験があります。
そんな方必見!
いろいろな絵の具の違いや特徴を
わかりやすく解説していきたいと
思います。
これをお読みになることで
明日から自信をもってご自身が愛用されている
絵の具を説明できるようになるばかりか
他の絵の具にチャレンジしてみたく
なるかもしれません。
これから絵を始めてみたいけど
どの絵の具を使ったらいいかわからない方も
是非最後まで読んでみてくださいね。
紫乃~murasakino~ONLINESHOPはこちらから
絵の具の種類ってそもそも、どんなものがあるの?
絵の具ってなんだろう?
絵を描いて、色を塗る。
今では手軽に手に入り、何気なく使っている
絵の具ですがそもそも絵の具って
なんでしょう・・・
絵の具とは顔料とバインダー(接着剤)を合わせたもの
絵の具には色々な種類がありますが色の元に
なっている顔料はすべて同じです。
顔料には天然の土や鉱物などの他、科学的に
合成したものなどでできています。
顔料を練り合わせ、キャンバスや紙に定着
させる為のものをバインダーといいます。
そしてそのバインダーの種類によって色々な
種類の絵の具になるのです。
顔料 +
●アクリル樹脂 = アクリル絵具
●アラビアゴム = 水彩絵具
●乾性油 = 油絵具
●膠(にかわ) = 日本画絵具
絵の具の種類と特徴1:アクリル絵の具
アクリル絵の具が描画材料の世界に姿を見せた
のはそれほど昔のことではありません。
油絵の具が何世紀にもわたって用いられてきた
のに対し、アクリル絵の具が生まれてからは
数十年ほどです。
しかし、数々の実験を経て今日一般的な画材と
して広く受け入れられるようになりました。
それもそのはず、アクリル絵の具には他の
絵の具にはないたくさんの長所があるから
なのです。
速乾性(乾きがはやい)
アクリル絵の具は水分の蒸発と共に乾くので
とても早く乾燥します。
厚塗りをしてもおよそ72時間ほどで乾燥
します。(表面は20~60分)
このことにより素早い制作が可能に
なりました。
水溶性(水に溶ける)
アクリル絵の具を使う時は水に溶かして
使います。
混ぜる水の量によって油絵風から水彩風にまで
多様な表情を作りだすことが可能です。
また、水溶性なので油絵の具用の揮発性溶剤に
つきものの健康への害がありません。
筆も水で洗うことができます。
耐水性(乾くと水を通さない)
展色剤(バインダー)として使われている
アクリルポリマー・エマルジョンが絵の具が
乾燥した後にきわめて安定した塗膜を形成
します。
私は自然の中に作品を置くインスタレーション
をしたりしますが、アクリル絵の具を使って
いるので安心です。雨にあたっても絵の具が
滲むことがありません。
堅牢で柔軟
アクリルポリマー・エマルジョンは乾燥
してもひび割れしない柔軟性に富んだ大変
丈夫な被膜となり長い時間の変化にも
耐えることができます。
塗膜は、従来の画材にありがちな化学変化を
起こす心配がありません。
しかし、描いている時たまたまテーブルなど
家具について乾いてしまうと拭いても色が
取れません。
服についた時も同様です。
ですので、ワークショップなどで,普段
アクリル絵の具に慣れていない方や
子供さんに使って頂く際は細心の注意を
しましょう。
手についた絵の具はお湯と石鹸を使い
こするように洗うとほぼ取れます。
気になる方は使い捨ての手袋を使用
しましょう。
鮮やかな発色
アクリルポリマー・エマルジョンは無色透明の
樹脂素材なので顔料の色を損なわずに美しい
発色です。
多様な表現
絵画の制作からイラストレーション、工芸
ネイルアートまで幅広い世界で
使われています。
キャンバスのみならず紙、木製ボード、布
石、革、コンクリート、紙粘土など様々な
ものに色をのせることができます。
(その他サンドペーパーをかける
ジェッソで下地を作るなどして着色できる
もの:アルミ板、モルタル、スチレンボード
アクリル板、ガラスなど)
私はTシャツに描いたり照明器具に描いたり
してアートを身近に感じてもらえるよう
工夫しています。
また、様々なメディウム(媒材)が存在する
為幅広い表現を可能にしています。
様々なメディウム
アクリル絵の具は水分量を変えるだけでも
色々な表現が可能ですが、メディウムをプラス
すればもっともっと表現の可能性が広がります。
ジェッソ
絵を描く前の下地材として使います。
中学までの美術教育しか受けてない私にとって
ジェッソって何??て感じでした。
キャンバスにそのまま描けばいいんじゃ
ないの?
そのまま描いても構わないのですが
ジェッソで下地を作っておくと絵の具の発色を
良くしたり定着を促進します。
また、アルミやプラスチックなど、水を
はじいたり鏡面加工のものにはアクリル絵の具
が定着しにくいのでサンドペーパーなどで
表面に傷をつけてから塗ると定着率が
増します。
ジェッソは乳白色で浸透が良く早く乾くのが
特徴。わずか1~2時間で乾燥しますが制作の
前日に塗っておくのが理想です。
キャンバス等にそのままか
約20%の水で薄めて塗ります。
表面をなめらかに仕上げたいときは
薄く何度も塗り重ねます。
使った刷毛は水洗いしておけば何度でも
使用できます。
私は1000mlの詰め替えタイプを購入し
蓋つきのプラスチック容器に使う分を
その都度入れて塗りやすい濃度に水で薄めて
使っています。(目分量)
また、ジェッソは修正にも使えます。
ジェッソの白は不透明色なので描いた絵の
上から濃い目のジェッソを塗るともう一度
最初から描き直すことも可能です。
アクリル画を始めた頃は何枚もキャンバスを
買うことが難しいと思うので気に入った作品
以外はキャンバスを使い回すの
もおすすめです。
ジェルメディウム
ジェルメディウムは、絵の具の粘度をゆるめず
透明感とツヤを出したり盛り上げたりします。
そのまま、下地材として使ったり絵の具と
混ぜたり接着剤としてコラージュや
ミクストメディアにも使えます。
砂やおがくずなどを混ぜてオリジナルの
テクスチャーを作ることも可能です。
絵画という固定概念に縛られず新たな表現に
挑戦していきたい方にとっては強い味方になる
と思います。
モデリングペースト
大理石の粉末とアクリリック・エマルジョン
からできた、粘りの強いパテ状の白色下地材
です。
乾くと固形化するのでノミなどで彫塑的な加工
ができ立体的な効果を生み出します。
ヘラを使って塗り付けるようにすると簡単に
立体的な下地を作ることができます。
乾燥を待って作画に入ります。
私もモデリングペーストはよく使います。
面白い表情が出るしエネルギーを伝えやすい
ような気がします。普段アートになじみのない
方には新鮮に映るようでこの盛り上がってる
ところが好き!とか言われたりします。
グラスビーズ
小さい透明のアクリル玉が入った
グラスビーズは乾くと玉の透明感が表れます。
私は使ったことはないのですが
ジェルメディウムのように下地に
使ったり絵の具に混ぜたりできるようです。
光が当たるときらっと光るのを効果的に
使えれば今までとは違う表現を楽しめそう
ですね。
試してみたいメディウムの一つです。
アクリル絵の具とアクリルガッシュの違い
アクリル絵の具ってアクリルガッシュのこと?
って聞かれた時よくわからなくて
「同じじゃないの~」と答えていました。
しかも、NHKの番組に触発されその日に
アクリル絵の具を買ってアクリル画を描いてる
つもりでいたのですが
後でよく見るとチューブの表面には
”アクリルガッシュ”と書いてありました。
田舎の本屋さんの二階の片隅にちょこっと
ある画材コーナーにはアクリルガッシュが幅を
利かせズラッと並べてあったので、すっかり
これがアクリル絵の具だと思い込んでいたの
です。
アクリル絵の具とアクリルガッシュは似て
いますが別のものと認識した方が
よさそうです。
アクリル絵の具
アクリル絵の具はもともと屋外で大画面に使用
できるような耐久性の高い絵の具の必要性から
誕生しました。
アクリル絵の具の特徴としてはツヤ感や
透明感があることですが、当時ポスターカラー
などマットな質感に慣れていたデザイナーなど
からは好まれなく後にそのような要望に応えて
作られたのがアクリルガッシュです。
アクリルガッシュ
アクリルガッシュはアクリル樹脂の割合が
アクリル絵の具より少なく色の発色が良い
です。
マットで不透明な質感で下に塗ってある色の
影響を受けることなく塗り重ねることが
できます。
ポスターやイラストなど平面的なものに適して
いますがアクリル樹脂の配合が少ない分屋外
などで使用する際は耐久性,耐光性の面で
アクリル絵の具に劣ります。
アクリル絵の具とアクリルガッシュは用途に
よって使い分けるとよさそうですね。
紫乃~murasakino~の初個展の様子はこちらから
『初心者でも勇気を出して初個展』
絵の具の種類と特徴2:水彩絵の具
水彩絵の具は、粉末状の顔料をアラビアゴム
など水溶性の固着剤と混ぜたものです。
顔料は油絵やアクリル絵の具に使われるものと
ほぼ同じです。
アラビアゴムとは、アフリカアカシアの樹液
です。
始めやすい、使いやすい
水彩絵の具は小学校で使っていたなじみのある
絵の具です。「絵を描いてみたい」と思った時
一番初めに思い浮かぶ画材が水彩絵の具
でしょう。
水彩画は絵の具セットと筆と紙と水があれば
すぐに描き出すことができます。
チューブ入りと固定タイプ
水彩絵の具はチューブ入りとパンと呼ばれる
固形タイプとあります。
チューブ絵の具はパンより幾分多めの
グリセリンを含んでいます。広い部分の薄塗
(ウォッシュ)には、チューブ絵の具が適しています。
旅先でスケッチしたいときには固形絵の具は
重宝します。
情報をつかみやすい
ちょっと専門的な話になりますが
水彩画はどんな素地も透けて見えますから
絵をよく観察するだけで、それぞれの
効果を出している方法がかなり明確に
わかります。したがって、多少の経験が
あって水彩絵の具の効果的な使い方を
知ってさえいれば、誰でも憧れの
アーティストの水彩画から実際に役立つ
情報をつかめるのです。
また、描く方からすると筆使いだけで
作者の美的センスや着色法はたまた
性格まであらわにしてしまうという怖い面?
もあります。
透明感がある
絵を『読む』ことができるのは、水彩絵の具が
どんな絵の具よりも透明度が高いからなの
です。
私たちの目は下地の紙に達した光線が透明な
絵の具の薄い膜を通して跳ね返ることによって
透明感を感じています。
ですので、絵の具の量が多くなればなるほど
塗りが厚ければ厚いほど、跳ね返る光は
少なくなり透明感を感じられなくなります。
混色ができる
理論上は、赤、青、黄の三原色を混ぜ合わせ
ればどんな色でもできます。
しかし、実際にはあらゆる色が作れる
ほど純度の高い顔料というのはなかなか
ないようです。
混色には二種類あります。
1.パレットの上で色を混ぜる
2.紙の上で色を別々に塗り重ねる
1 の方法ですと絵の具の量を調節しながら
欲しい色を目で確認しつつ作りだすことが
できます。
2 の方法はうまくいくと、非常に鮮やかな
色合いになります。上の色を通して下の色に
反射する光を感じるからです。また、先に
塗った色と少しずらして次の色を重ねることで
微妙な色の変化や立体感をだすことも可能に
なります。
どちらにしても 同じような紙に色見本を
作っておくと失敗を減らすことができます。
手入れがしやすい
水彩絵の具のついた筆やパレットは水で簡単
洗い流すことができます。
また、万が一服について乾燥してしまっても
洗濯できれいになるので安心ですね。
色々な技法が使える
ウォッシュがけ
ウォッシュとは水彩絵の具の薄い塗りの
ことで、普通は薄い絵の具をたっぷり含ませた
筆でかなり広い範囲に塗ります。
乾いた紙にも湿った紙にも、
すでに画紙に塗って乾いている絵の具のうえ
にもウォッシュはかけられます。
重ね塗り
水彩絵の具は透明感のある色の効果が特徴です
から重ね塗りは様々な色のうわぐすりが各色の
上にかかって、全体で一つのうわぐすりを
かけたように見えるのです。
この技法の最も重要な特徴は、各色が完全に
乾いてから次の色を塗るということです。
私が小学校の授業で水彩画を習った時は
パレットの上で絵の具を混ぜることはあっても
画面の上で色を塗り重ねるということは習わ
なかった記憶です。
彩色に取り掛かる前に試し塗りでテストして
おくとよいでしょう。
拭き取り・吸い取り
絵の具が濡れているうちに、あるいは
乾いてからでも手を加えることができます。
例えば空を表現したいとき、画面全体に
ウォッシュをかけ雲の部分を綿海と言われる
スポンジ状のものに水を含ませ画面に
押し当て一気に引き上げます。
すると海綿が絵の具を吸い取り紙の白い部分が
表れ雲を自然に表現することができます。
また、絵の具が乾いてから水を含ませた剛毛の
筆で強く筆を使いながら先に描いた色を落とす
こともできます。
かき落とし
画紙の白地、もしくは塗ったばかりの絵の具の
下の乾いた薄膜を出す技法がかき落とし
(スクラッチング)です。
ちいさなナイフや先が尖ったものもしくは
クラフトプレードなどの面や紙やすりなども
利用することができます。
色止め
画面の一部を保護して下の色に関係なく色を
塗りたいときは、マスキングと呼ばれる
”色止め”の技法を使います。
鉛筆で輪郭を描き、保護したい部分を
マスキング液でマスキングします。
ヘアドライヤーで乾かしマスキングしていない
ところにウォッシュ塗ります。
ラバークリーナーでマスキングを取ります。
すると下の紙の白があらわれ、それと同時に
下書きの鉛筆なども消えます。
マスキング液を塗るときは使わなくなった筆を
使用し使い終わったら洗剤を入れた温水でよく
洗い落すと良いでしょう。きちんと手入れ
しないと筆先が固まって次回使いにくくなって
しまいます。
絵の具の種類と特徴3:油絵の具
私自身は油絵の具を扱ったことがありません。
何となく大変そうで手を出すにはハードルが
高いイメージがあります。
しかし、先日個展の際に私のアクリル画の
雰囲気によく似た作風の油絵作家さんが
いらっしゃり作品集を見せていただきましたが
さすが油絵の具は色の持つ深さが違うと感じ
ました。
色の鮮やかさと深みがある
油絵の具の色の鮮やかさと深みは他の
絵の具と大きく異なる特徴の一つです。
これは、すりつぶされた顔料が溶けている
乾性油の屈折率(光の反射量及び吸収量)が
比較的高いことが要因です。
そして乾いても塗った時と同じ鮮やかさを
保ちます。
融通がきく
油絵の具が数百年もの長きに及び
変わらず人気を保ち続けている秘密の一つは
驚くほど融通が利く。ということです。
乾燥が遅い
融通が利く要因が乾燥が遅いということです。
「乾燥が遅い」というと短所のように感じる
かもしれませんが、この乾燥がゆっくりな
性質を生かして、一度塗った色でも後で
修正が利き、画面上の位置をずらすことも
できます。
油絵の具のこうした特徴を生かしたものの
一つがアラプリマ(直描き:支持体の上で
絵の具が乾ききらぬうちに一気に描き上げる)
という技法で、画家の抱くイメージが
そのまま絵に反映されます。
歴史が長い
ヨーロッパ絵画の代表的な描画材料である
油絵の具は15世紀に開発されました。
500年以上に亘り愛されてきたのです。
道具がたくさん必要
●絵筆 剛毛筆 軟毛筆
●溶剤(有毒性:人体に害を及ぼす危険性が
あるので使用後は蓋をきちんと締め
換気にも気を付けましょう)
乾性油 顔料の練り合わせ・乾燥剤
媒材 粘度と光沢を高める
ワニス 画面の保護 艶消し・艶出し
●キャンバス 亜麻布 木板
●パレットナイフ ペインティングナイフ
●パレット
●イーゼル
絵の具の種類と特徴4:日本画用の絵の具
日本画の繊細な色合いは憧れます。しかし、
日本画はアクリルのように思い立ったらすぐ
描けるわけではありません。
膠を一晩水に浸し、木べらなどで丁寧に
かき混ぜながら加熱して煮とかします。
そして、顔料と膠を絵皿の中で
指で混ぜよくなじませます。
こうした下準備から日本画を描く心構えが
整い、この時間があるからこそあの繊細な
日本人の心をくすぐる絵になるのだと
思います。
日本画の絵の具
天然岩絵の具
天然の鉱物や奇石を砕いて水簸(すいひ)し
粒子を分別した材料。
顔料の粒子が大きいほど色濃く、小さいほど
白っぽくなる。
藍銅鉱(青色)
緑青(緑色)
辰砂鉱(赤色)
それぞれの岩石を焼成により黒変させたり
水簸で別れた色をすくい出し、膨大な色味が
存在します。その一つ一つに奈良・平安時代の
昔からある伝統色にちなんだが色名が
付けられています。
薄縹(うすはなだ)
碧玉(へきぎょく)
岩辰砂(いわしんしゃ)
岩絵の具をひとつひとつ眺めるだけで
うっとりしてしまいます・・・
新岩絵の具
天然岩絵の具にはない鮮やかな色や
日本の伝統色を再現した色が数多く
そろっています。
群青(ぐんじょう)
若葉(わかば)
岩橙(いわだいだい)
合成岩絵の具
天然の水晶や方解石の粒子を染料や顔料で
着色した人工的な絵の具。
微粒子でも発色が鮮明で、きらつきのない
落ち着いた色合いを作ります。
水干(すいひ)絵の具
天日干しで精製するため「水干」といわれ
ます。
きめ細かさと繊細な発色で、混色・重色
しやすいのが特徴です。岩絵の具を塗る前の
下塗りに用います。
接着剤は膠
膠(にかわ)とは牛などの皮、骨、腱を原料と
する接着剤です。
乾燥した状態のものを一晩水に浸し寒天状に
膨張した膠を木ベラなどでかき混ぜながら
加熱します。
液体状になったら絵の具とよく混ぜ十分に
練り上げて塗ります。
膠液の濃さは一般的に夏季は濃い目,冬季は
薄めに作ります。
濃すぎると亀裂が生じやすく、薄すぎると
絵の具が定着しずらくなります。
支持体(基底材)
日本画は和紙や絵絹に描きます。
和紙も絹も吸収性が強いので、膠液に
生明礬(きみょうばん)を混ぜたドーサ液を
塗って、にじみ止めをする必要があります。
また、和紙のパネル張りはドーサ引きした
和紙を十分乾かしてから行います。
絵の具の種類と特徴5:パステル
パステルには特有の輝きと扱いやすさが
あります。筆や水パレットなどを用意しなく
てもスケッチブックさえあれば手軽に始められ
描き終えたあと、用具を掃除する手間も
ありません。
私はアクリル絵の具で描いた後
パステルの繊細な線を足して画面の変化を
楽しんでいます。
パステル
パステルは不透明の顔料からなる乾性の棒
です。
他の絵の具のように色同士をパレット
などで混色することができません。
そのため実に多彩な色が用意されています。
ソフトパステル
ソフトパステルはパステルの原型で一番一般的
なものです。基本的には純粋な顔料をゴム溶液
で軽くまとめたものです。
ソフトパステルは紙につきやすく、紙の表面を
よく覆い、また混じりやすいです。
ハードパステル
顔料に対する粘着剤の割合によってソフト、
セミハード、ハードとなります。
ハードパステルは彩色よりも線描、素描の
技法に適しています。
また、ソフトパステルとハードパステルと
一緒に使うこともできます。
水溶性パステル
成分の中にロウが入っていて、乾いたままでも
濡らしても使えます。
オイルパステル
従来の顔料と固形ワックスで練り固めた
クレヨンに体質顔料と液体油も混ぜてより
滑らかに描きやすいようにしたものが
オイルパステルです。
オイルパステルの色数はソフトパステルほど
多くなく全部で80色くらいですが、混ぜて
微妙な色を作ることができます。
ペンシル型
パステル鉛筆は成分はパステルクレヨンと
同じですが、幾分柔らかで木の軸に収まって
います。細部を描くのに適しています。
また、ぼかして繊細な形を作ることも
できます。
絵の具の種類と特徴6:ミクストメディア
展覧会に行くと、時々キャプションに
「ミクストメディア」と表示がありますね。
いろいろな画材を使っている。ということなのでしょうが
具体的にはどんなものがあるのでしょう・・・
ミクストメディアとは
ミクストメディアとはいくつかの
異なったメディアを結び付けて描く技法のこと
ですが、絵の具を複数組み合わせるだけでなく
支持体の多様性や
写真、プリント、コラージュ、ローレリーフ
などの技法をも取り込んだ表現方法です。
これらの複雑な要素を一つの作品として美しく
見え成功するためには画家の力量が問われ
ます。
何でもありの一見誰でもできそうなものほど
作品として昇華させるには画力だけではない
それぞれの素材の魅力を引き出す力や見抜く力
バランス感覚、経験も必要になってくるで
しょう。
画材
具体的には今まで紹介した
●アクリル絵の具
●水彩絵の具
●油絵の具
●パステル
の組み合わせのみならず
●フェルトペン
●鉛筆
●ペンとインク
●木炭
●クレヨン
なども使えます。
また、身近にあるものを張り付けて
(コラージュ)使うこともできます。
●ティッシュペーパー
●麻ひも
●砂
●ロウ
●貝殻
●新聞紙
●アルミ箔 etc.
ミクストメディアは現代アートだけではない
ミクストメディアは通常20~21世紀独特の
絵画様式とされていますが、絵画史を通して
みるといつの時代も普通の画材と思いもよら
ない画材とをうまく組み合わせて作品化して
いました。
特に西洋絵画においては、金箔と他の画材に
より作品を成立させるという特殊な一面が
ありました。
今、特殊に思われているミクストメディアでも
100年後にはごくごくポピュラーな表現となる
かもしれませんね。
まとめ
- 絵の具の違いはバインダー(接着剤)の
違い - 絵の具の特徴と表現したい雰囲気で好み
のものを選ぶ - まずは身近にある画材で始めてみる
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