紫乃~murasakino~アート展『もりからのこえ とどけたくて』を振り返って本番編
『もりからのこえ とどけたくて』準備編を
観ていない方はそちらもどうぞ。
いよいよ個展のスタートです!
しかし、なんてことでしょう。
個展が始まる2021年4月20日から愛知県は
まん延防止等重点措置を適用
としたのです。
これは名古屋市が適用地域で豊田市は適用外
でしたが、多少なりとも影響が出る
だろうと,優柔不断で個展の日程を早く決め
なかった過去の自分を恨みました。(笑)
個展のスタート
前日までの雨はどこへやらお天気には
大変恵まれました。
しかし、お客さんがいらしてくださるか不安な
気持ちを抱えながら個展会場へ向かいます。
初日のお客様
会場に到着直前
今、会場に来ています。正面の青い絵
とってもいいですね!
とラインで連絡が入りました。
”正面の青い絵”とは搬入前日まで諦めず
何とか仕上げた作品でした。
彼女は前回までの作風との違いを敏感に感じ
取り、前も良かったけど更に良くなってる!
と言ってくれました。
もう、舞い上がるような気分!不安も
吹き飛びます。なんて単純なんでしょう・・・
観に来てくださる方がいるだけで本当に
嬉しいのにこんなことを言ってもらえるとは。
すっかり紫乃ファンになった友人が
次に顔を出してくれたのは昨年秋
豊田市民芸の森で作品を観てから家族みんな
すっかり紫乃ファンになってくれた友人が木曜
に来場予定と言っていたのにどうしても早く
観たい衝動が抑えきれなくてと初日に花束を
持って駆けつけてくれました。
心惹かれる作品がたくさんあってそれに
反応して心が揺れ動くから体までフラフラ
しちゃう。
作品のパワーが凄いから一つの空間で一度に
観てはいけない気がした、とも。
自分ではそんなにパワーがあるのか
わからない。というと無自覚なのが凄い!とも
言われてしまいました。
彼女は私の「絵」を絵以上のものに捉えて
くれて私が「絵」を通して伝わって欲しいと
思っていることが説明をしなくても届くのだ
ということを証明してくれた人です。
「絵」によって癒され自分のマインドも
変化したと言ってくれました。
「絵」というものがインテリアとしての存在
だけではなくエネルギー交換の役目をして
くれていて、私から伝わったものが彼女を
輝かせその光が私に力をくれ新たな作品が
生まれる・・・
という交流が起きているのを感じています。
公募展に誘って下さった方が
昨年の秋に開催した民芸の森での個展の際
今年5月にある公募展のG.A.M展
(Global Artist Movement)にお誘い
くださった事務局の方がいらしてください
ました。
公募展に出品する作品はできたか聞かれ
この個展が終わったら描き始めますと答える
私。
締め切りまで一ヶ月を切って50号サイズ
(1167×910ミリ)を仕上げられるか不安
でした。事務局の方はこれいいじゃないか。
これをこのまま出したらいいよ。と言われ
搬入前日まで描いていた青い絵を
指差されます。
一瞬気持ちが揺らいだのを感じたのですが
せっかく公募展に挑戦するなら新たなものを
描きたいと言いました。
カフェのマスターにも
さすがそういうところが紫乃さんらしくて
素敵です。
と言われ引くに引けない・・・
これは個展が終了次第全力で取り組むしか
ないな。となりました。
ケーブルテレビを見て
初日はいいタイミングで入れ替わり立ち代わり
で観ていただきました。カフェの常連さんも
興味を持って話しかけてくださりでついつい
作品を前に長話。
すると、一人の男性が私に話しかけたそうに
遠巻きに待っていらっしゃいます。
お声がけすると民芸の森での個展の際、地元
ケーブルテレビの番組に取り上げていただいて
いたのですがそれを見て民芸の森に足を運んで
くださっていて今回案内ハガキが届いたので
来ました!と言われました。
民芸の森では直接お会いしたわけではないのに
こうしてわざわざ足を運んでいただいたことに
感激しました。
2年前の初個展の際の初日はほとんど観て
下さる方もなく作品を配置し直したり本を
読んだりしていましたが、少しずつ積み重ねて
きた事がようやく実を結び出したのを
感じました。
2日目
2日目も良い天気!
今日はどんな方に出会えるのかと毎日
ワクワクします。
『ゆるすということ』
おはようございます!
お店に入るとすでに一人の年配の女性が
熱心に作品をご覧になっていました。
少し時間を置いてから
作家の紫乃(しの)と申します。
と名乗ると
この『ゆるすということ』という題が
心に響いてね・・・
『ゆるすということ』というのをこうして
絵で表現できるって素晴らしいですね!
他の題名でも何人もの方が共感してくださり
作品の世界に入る大切な入り口なんだと実感
しています。
私の可能性を見つけてくださった方が
『あなたも わたしも アーティスト』という
コンセプトが私が一番大切にしていることなの
ですが最初に私の中のアーティスト性を引き出
して下さった方が様子を見に来て下さいました。
詳しい内容を知りたい方はプロフィールへ
5年前この方に描きためた絵を見せて
「いいものを持ってるよ」と言われなかったら
紫乃~murasakino~は誕生しませんでした。
美術教育を受けたわけでもなく突然絵を描き
出した私に言って下さった、たった一言が
私の人生を変えたのです!
だから今度は私が誰かが自分の可能性に気が
付くためのささやかなきっかけになりたいと
思っています。
私が挑戦を続けることが誰かの力になり
勇気になり光になれたらと活動しています。
自称アーティスト?!
午後からフラッといらしたカフェのお客さんが
絵に穴が開きそうな程熱心に鑑賞して
いらっしゃいました。
お声がけするとご自身でもアート作品を作って
サイトで販売しているとの事。でもまだ一つも
売れていません!ここで本物のアーティストに
出会えるなんて!と興奮した様子。
そのうち注文されたホットサンドがテーブルに
運ばれてきたので冷めないうちにどうぞ。と
促しました。
そしてせっかくなので私も飲みかけの珈琲
カップを手にその方のテーブルでお話しさせて
頂くことにしました。
熱心に耳を傾けてくださるので私もついつい
いろいろお話ししてしまいました。
周りに流される生き方ではなく不器用でも
やりたいことを一心に取り組んでいる私の
姿に共感してくださったようでした。
そして紫乃さんは世界に出て行かなきゃダメ
だ。そうじゃなきゃ作品がかわいそうだ!と
熱のこもったアドバイスをしてくださいます。
またまた~ご冗談を・・・
という感じで聞き流していたのですがあまりに
真剣な口調と後日改めて来店し作品を購入して
くださったので、本気で言ってくださったのだ
とわかりました。
こうして自分では気が付いていない可能性や
作品の価値を個展で皆さんに観ていただくこと
で教えて頂き少しずつ自分がやっていることの
重要性に気が付いていきました。
2年前に初個展を開催する前は自信なんて
ものはゼロでした。でもゼロでも怖くても
とにかくやってみる。失敗するかもしれない
けれど飛び込んでみることで道が開かれたの
です。
もし、このブログを読んでいる方の中に自信が
付いたらいつか発表しようと思っている方が
いらしたらぜひ、小さなステップでも実際に
行動してみてくださいね。人目にさらさずに
自信がつくということはないと思うのです。
初個展の様子はこちらから
3日目
買うつもりじゃなかったのに
3日目はこの展示会場を紹介してくれた友人が
私もワークショップやってみたい!と
来場してくれました。
絵を観ることは好きだけど自分では描いたりは
していない彼女でしたが、実際に絵の具を
使って体験すると
「衝撃的~!」
と今までに体感したことのない何かを感じた
ようでした。
そして、しばらくして展示してある作品に
心惹かれたと言って
「私、この絵をうちにお迎えしたい」と
言い出したのです。
「えー!」
友達だから何か買わなきゃ・・・なんて気を
使わせたら悪いなあ。と思っていたのですが
付き合いで買うにしては安くない値段がついた
今回の個展で私が一番観てもらいたかった作品
に光や希望を感じて常に自分のそばに置いて
おきたいと思ってくれたとの事でした。
『ほんとうに たいせつなもの』という題が
ついていたのですが、そんなものは目に入って
いない様子で彼女はその場で自分なりの題名を
考え出しました。
帰宅途中もずーっと、家に帰ってからも考えて
いたようです。そして今の自分の心にぴったり
とくる題名を考え、作品をさん付けで読んで
くれています。
題名を勝手に変えるなんて!と思われる方も
もしたしたらいらっしゃるかもしれませんが
私はとっても嬉しいです。
これも「あなたも わたしも アーティスト」
のコンセプト通り私だけがアーティストでは
なく観る人も作品を構成する一員でいて
欲しいし、それをこちらが提案したわけでは
なく自ら考えだしてくれているのが更に
嬉しいのです。
この個展の前に購入してくださった方も
同じように題名を自ら考えてくれ我が子の
ようにかわいがってくれています。
実はこの
『ほんとうに たいせつなもの』は購入して
くれた友人のおかげで誕生したようなもの
なのだったのです。
スランプだった私に自分の仕事上での経験を
話してくれ、一番こだわっていた描き方を
手放すことができたのでこの絵を描くことが
できました。
本人はそんな事はつゆ知らず、この絵に何か
惹かれるものを感じるというのは不思議なのか
当然なのか・・・
私としては一番ふさわしい人の元へと旅立った
こと本当にうれしく感じています。
もう一つその後の報告で初めは絵の上部に光と
いうか希望を見出していたのだけれど、
よく見ていたら中心から光を振りまいている
様にも見えてきて、希望を求めるだけではなく
自分に何ができるのかという風に思考が変化
してきた。と教えてくれました。
これも
『あなたも わたしも アーティスト』
あなたもアーティストということは絵やアート
作品を作るだけではなく
自分で自分の世界を創造できるということに
気が付いてもらいたいと思っていたことが
こうして伝わっているということに
驚きました。
そしてこういうやり取りの積み重ねによって
自信に繋がり個展が終わってから急いで取り
掛かった公募展に向けて描いた作品が更に
進化し、おかげさまで賞を頂くことができ
ました。
絵を描き始めた母娘
私の作品に出会って今日絵の具を買って
帰ります!と言われた方が今まで何人か
いらっしゃいます。一言も薦めていないのに
何故かみなさん今日買う!とおっしゃるの
です。
「すごいな~」と感心するのですがそういえば
私もNHKの番組でアクリル絵の具に出会って
その日に買っていたことを思い出し笑って
しまいました。
この日家族四人で訪れて下さったのは、民芸の
森でたまたま最終日に作品を目にして感動した
気持ちをどうしても伝えたくてと以前
メッセージ下さった方でした。
形にとらわれず描いているように見えるのに
何を描いているか伝わってくるような・・・
心で観た景色だ!とハッとさせられました。
と伝えてくださいました。
民芸の森ではお話ししていないのに、これだけ
ご自身の感性で汲み取れることに感心
しました。
彼女もすぐ絵の具を買って2歳の娘さんと
描いたものをインスタに投稿されています。
それまで絵が大好きだったのに
「絵は上手でなければいけない」という観念に
縛られ絵から離れてしまっていたようでしたが
私の”上手も下手もない”という言葉にココロが
解放され素敵な作品が生まれています。
民芸の森のワークショップに参加された方が
以前ワークショップに参加された方々が
紫乃さんの作品は中毒性があるから・・・と
いらしてくださいました。
そのうちのお二人の方がとある美術館の
イベントを企画するスタッフに応募して
採用されたので、紫乃さんに美術館で
ワークショップをやってもらいたいと
おっしゃってくださいました。
また、別の方はとある学会の全国大会の
チラシの挿絵にどうか?と推薦してくださり
わざわざ責任者の方を連れて作品を観て
もらえるようセッティングしてください
ました。
いろんな方が気にかけてくださり本当に
ありがたいです。
4日目
4日目は平日にも関わらずこの6日間の中で
一番来場者も多く賑わしい日でした。
同時に何組も重なってしまうので作品を観て
もらう方、カフェでお茶してもらう方
お話しさせてもらう方となんとなく促し
ボーっとお待たせすることがないよう
配慮しました。
こういう時カフェ&ギャラリーは大変助かり
ますね。
それでも、友人には涙を呑んでもらいほとんど
会話することもできなかったです。
マスター曰く、紫乃さんは人の心に火を
点ける人ですね。みなさん紫乃さんに話した
くてしょうがない!っていう感じです。
え~そうなの??自分ではよくわからないけど
確かに皆さんのパワーは凄いです!
ワークショップ
希望者がいらっしゃるとワークショップを
随時開催していました。
先回は工作のようなワークでしたので今回は
実際にアクリル絵の具を使いハガキサイズの
紙に自由に描いていただきその場で額に入れ
持ち帰って頂くスタイルにしました。
筆代わりに段ボールを好きな形に切ってもらい
選んだ絵の具を直接紙に出し、自由に
段ボールで描いてもらいます。この時
はみ出るくらい思い切って描くと良い作品に
なりますよとアドバイスします。
絵に対する苦手意識は”上手に描けない”
というものからです。そうしたら、初めから
段ボールの切れ端という誰も上手に描けない
もので描けばみんなスタートラインは一緒
です。
あとは、自分の内側にある感覚のみで
「えい!」と思いきるだけです。すると
不思議な事にその色や線にその人の内側が
転写されるように現れてきます。
親にはできないことをしてもらった
5日目の土曜日、家族で是非参加したいと
4人でいらっしゃいました。
参加された中三の女の子は何でも器用にこなす
タイプではなく得意なことと苦手なこと両極端
だそうで、平均的にこなすことを求められる
学校教育の中では劣等感を感じることが
多く親として彼女の自己肯定感を高めることの
難しさを感じていたそうです。
その彼女がワークショップに参加して美術作品
で初めて自信作ができた~と嬉しそうに写真を
撮りラインのプロフィール写真にしているのを
見て胸が熱くなりました。もう、この子は
大丈夫だと思え、親にはできないことをして
もらったと後日感謝の言葉をいただきました。
私は娘さんが自信を持てたのも嬉しいですが
お母さんがこの小さな体験でこの先の娘さんの
人生がもう大丈夫だと思えたことが何より
嬉しかったです。
子供さんにとってどんな自分でも大丈夫だと
信頼してもらえるということはかけがえのない
心の支えだと思うからです。
ワークショップではただ作品を作るという経験
だけではなくアートに対する苦手意識を解放し
自身もアーティストになれるという感覚を体験
してもらいたいです。そして、自分の人生も
自分で創造できるんだということに気が付く
最初のきっかけであって欲しいと願って
います。
ですから私の展示の中でワークショップは
大切な要素なんです。
絵を購入してくださった方の感想
今回の個展の少し前に作品を購入して下さった
方がお手紙で感想を寄せて下さったのでその
一部をご紹介します。
「思考」→「感覚」へ
紫乃さんから「感性がするどいですね」と
言われとっても嬉しかったです。でも私の
感性を鋭くしてくれているのは間違いなく
紫乃さんの作品のおかげだと思います。
紫乃さんの作品は一瞬で思考を止め「感じる」
世界に連れてってくれるから本当にすごいと
思います。
作品の価値
作品の値段を聞いて「安すぎる」と感じ
ました。
(自分では高すぎるかな?と不安だったの
ですが)
じゃあ、私は一体いくら払ったら自分が感じて
いる価値に見合うのか考えてみても答えは出せ
ません
自分の中に感じている価値を金額で表すって
本当に難しいと思いました。
だけど、もし今後譲って欲しいという人が現れ
どんな金額を示されても絶対に手放したくない
と思っているのは確かです。
自分の中に変化が
作品に光を感じ毎日絵を眺めていたら
ある日ふと
「じゃあ,私は一体何に光を当てたいの?」
と自問自答のような思いが浮かんできて
「微力だからこそできることがある!」
一人では力足りないなら仲間を集めよう!
というふうにマインドが変化してきました。
今まではやりたくても現状では無理
だろうな・・・
と思っていたことが本当は失敗を恐れて
チャレンジできない自分のもっともらしい
言い訳だという事にも気が付きました。
そして一年ぶりにあった友人にすごくいい
雰囲気が滲み出てると言われこれも紫乃さんの
作品に出会ったおかげだと思っています。
私にとってアートとは
こんな身に余るご感想を寄せていただき
ました。
アートという手段で私の内側を表現し、そして
それを受け取った方の内側の世界が変化し
現実の世界にまで変化を及ぼす。
そしてその変化が私にフィードバックされ
さらに作品が進化していく・・・
このような循環が起こり始めているのを最近
感じています。
また作品は私の写し鏡であると同時に鑑賞
される方の心の鏡でもあるというのを実感
しています。
作品を観た時に何を感じるのかどんな作品に
心惹かれるのかはすべて鑑賞される方の心の
あり方です。
素晴らしい感想を寄せて下さるのは私の作品の
是非ではなく鑑賞される方の感性が素晴らしい
からだと思っています。
私にとってアートとは
自分を知り、人と繋がり、成長していく為の
大切なツールなのだと思います。
まとめ
- 個展会場を探す際はネット情報だけなく
人のご縁を大切にしてみる - これから個展を考えている方にとって
カフェ&ギャラリーはおすすめ - 自分をさらけ出すことによってはじめて
反応をいただけたり、自信にも繋がる - アートとは自分を知り、人と繋がり
成長していくためのツール
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